レッツ・スキルアッ講座(学級づくり・班づくり編)

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交渉の秋《機関紙No.507》

日教組高知は、高知県教育委員会 教育長に対して「大学入学共通テストにかかわる文部科学省への意見具申について」、「教職員の給与改善、定数改善・教育予算拡充、学校における長時間労働是正に係る要請について」を10/4に提出(教職員・福利課対応)しました。そして、この要請書をもとに、11/12に県教委 教職員・福利課長との意見交換会を行いました。

11/29には、高知県教育長との教育懇談会を行います。ぜひとも現場の声を書記局にお届けください。

①大学入学共通テストにかかわる文部科学省への意見具申について

2020年度から大学入学共通テストの実施が予定されていましたが、英語4技能評価への民間試験の活用について、民間試験の情報が随時変更されたことによって、高校生徒はもとより進路指導や教科指導にあたる学校現場は困惑していました。全国高等学校長協会からは「延期及び見直し」を文部科学省に求める等、教育関係諸団体からも課題が示されました。また、記述式問題についても、採点等にかかる課題が示されています。

<英語4技能評価における民間試験活用の課題>
・ 本来多言語を比較するためのCEFR対照表で、趣旨・目的の異なる英語の民間試験を比較していること。
・ 各大学等の英語4技能評価の活用方針が未定も含めて様々で、高校生等や関係者に混乱をもたらしていること。
・ 地域によって受検機会が不平等であるなど地域間格差が解消されていないこと。
・ 経済的困難者向けの検定料が未だに検討中であるなど経済格差等が解消されていないこと。
・ 具体的な実施日時・会場が示されないなかで、民間試験の予約申込等が行われていること。
・ 機器トラブル等が発生した際の再試験等の確実な実施が約束されていないこと。
・ 障害のある高校生等への合理的配慮が統一されていないこと。
・ 参加要件を満たした民間試験が撤退したこと。

<国語・数学記述式問題の課題>
・ 50万人の受験に対して、20日間の採点期間で採点者1万人が必要とされるなかで、採点の公 平・公正性、守秘義務等を担保する困難性があること。
・ 段階表示を点数化して加算する方針の大学があるなかで、自己採点の精度を上げる具体的方策が示されず、高校現場に負担と責任が押しつけられていること。
つきましては、大学入学者選抜は一定の共通性を確保し、簡便なものとする必要があること及び進路保障の観点から、拙速な実施を行わず、諸課題の解決に努めるよう、文部科学省に下記の申し入れをするよう要請いたします。

1.大学入学共通テストにおける英語4技能評価は行わず、従来の2技能の評価とすること。

2.大学入学共通テストにおける記述問題は実施しないこと。

「県教委は直接文科省に出向いて、地域格差等課題について、6月12日に要請をすでに行った。現場の生徒と、対応する学校に混乱が生じないよう動向を注視していく。また、新情報があればお知らせ願いたい。」との連絡が、10月11日に、日教組高知 書記局にありました。


 その後、文科相からは発言に関する謝罪・撤回があり、今月1日には、「大学入試英語提供システム」の今年度実施の延期が発表されました。開始まで5カ月となったタイミングでの見送りに、受験生や保護者、学校現場からは、強い不満や不信感が噴出しました。住む地域や親の収入による格差の問題が、早くから指摘されていたにもかかわらず、文科省は抜本策を打ち出せないまま、予定通りの実施に突き進みましたが、結局、誰も責任をとることなく、今回の決定となりました。

「大学入試英語成績提供システム」の導入延期に対する書記長談話

2019年11月1日  日本教職員組合書記長 清水 秀行

本日、萩生田光一文科大臣は、来年度から大学入学共通テストに導入する予定だった「大学入試英語提供システム」について、2024年度をめどに実施を延期することを公表した。

大学入学者選抜への英語の民間試験の活用については、公平・公正性が担保されるのか、経済・地域間格差の解消などの受験機会の均等がはかられるのかなど、様々な観点から課題が指摘されてきた。これに対して、文科省は、各実施団体に具体的な実施日時や会場の公表、受験料の軽減、合理的配慮などにかかる課題の解決を要請するとしてきた。しかし、今日に至るまで実施団体による情報公開が遅れたり、内容が変更されたりしており、受験生や高校関係者等が困惑・混乱している実態がある。また、10月24日の文科大臣による「身の丈」発言が多くの非難を受け、発言の撤回に至ったが、事実上、民間試験の活用により受験生の経済・地域間格差等を拡大しかねないことを容認した点が問題である。

日教組は、2017年の中教審「教育振興基本計画部会」における「第3次教育振興基本計画」策定にむけた関係団体ヒアリングにおいて、「大学入学共通テストで実施される英語については2技能であっても共通テストで行うことが適切であり、民間試験の活用については受験費用、受験機会、地域格差など公平性に懸念がある」等を意見表明してきた。教育委員会に対して文科省への意見具申をするよう各単組がとりくむとともに、文科省に対しては、大学入学共通テストは大学入試センター試験と同様にすべてを大学入試センターで行うべきであり、文科省が責任をもって公平・公正な制度を構築する必要があることを要請した。

10月24日に、立憲民主党をはじめとした野党も、英語民間試験の活用を延期するための「独立行政法人大学入試センター法の一部を改正する法律案(民間英語試験導入延期法案)」を衆議院に提出していたところである。大学入学者選抜において、教育の機会均等の観点からも、公平・公正性が担保されず、格差解消の具体的な方策が示されないまま制度が導入されることは許されない。

日教組は、今後も、公平・公正な大学入学者選抜制度ををめざしてとりくんでいく。

「自信をもって受験生に薦められるシステムになっていない」と、延期を決めた文科相。教育現場や専門家からは、制度への疑問や批判の声が早くから上がっていたにもかかわらず、まったく耳を貸さずに「実施ありき」の強気の姿勢を崩さなかった文部科学省。制度開始が5カ月後に迫ったところで、いまさら薦められない制度であったとはほとほとあきれます。いったい誰のための制度なのでしょうか。文部科学省はもちろん、特に旗振り役であった文科相の責任は相当重いと考えます。

しかし、問題はこれだけではなく、国語と数学の一部で新たに導入される記述式問題についても、採点の公平性などに課題があるとする声が相次いでいます。記述式問題を巡っては、採点ミスの多さや、同じ答案でも点数にぶれが出る恐れがあり、公平性を担保できないのではないか、実際の成績と受験生の自己採点にずれが生じて、出願先の選択に影響が出るのではないかといった多くの懸念があります。

日教組・日教組高知は、今後も具体的な格差解消の方策や、すべての受験者への公平・公正性が担保された制度をめざします。学校現場や組合員の声をぜひ書記局まで届けてください。


労働環境の改善や人材の確保等の大きな課題については、近年、社会全体が「働き方改革」に向かう中、学校現場でもこれまでの長時間労働を是正し、教職員が心身ともに健康で子どもと向き合い、一人ひとりに指導・支援が行き届くゆたかな教育環境のもと、ゆとりをもって安心して働き続けられる環境整備が求められています。

教職員の長時間労働是正には客観的な勤務時間管理のもと超過勤務を抑制するとともに、教育行政、自治体、学校、保護者・地域とも連携・協力し、これまで行ってきた業務を見直し削減にとりくみ、専門スタッフを含めた教職員の配置拡充も必要です。中教審答申を受け文科省からは「学校の働き方改革」の推進にむけた通知等が発出され、各自治体に推進を要請しています。教員の「勤務時間の上限ガイドライン」については今臨時国会において法制化し、2020年4月から自治体での条例規則化スケジュールが示されています。

教職員一人ひとりがじっくりと子どもと向き合い、健康で安心して働ける職場環境の整備と、よりゆたかな学校教育の実現のために、下記について要請しました。

②「教職員の給与改善、定数改善・教育予算拡充、学校における長時間労働是正に係る要請について

1.再任用、臨時・非常勤を含むすべての教職員の勤務実態や職務に見合った給与引き上げを行うこと。

2.「会計年度任用職員」条例改正に伴う臨時的任用教職員の処遇・雇用安定に向けた改善を行うこと。

3.教職員定数改善・教育予算拡充について

(1)義務教育費国庫負担制度について1/2に復元するよう国に働きかけること。

(2)文科省概算要求の教職員定数改善を実現するよう国に働きかけること。

(3)地方財政措置されている教育予算について確保をはかること。

(4)スクール・サポート・スタッフや部活動指導員、SC、SSW等の専門スタッフの配置拡充に係る予算を確保すること。

(5)教職員の定数内未配置を早急に改善すること。また、代替教職員を完全配置すること。

4.勤務労働条件等長時間労働是正にかかる条件整備について

(1)客観的な勤務時間管理と業務効率化、給食費や教材費等の公会計化のための校務支援システムの円滑な導入を図るとともに、多忙感を助長しないよう運用の簡便を整備すること。

(2)「在校等時間」の把握・管理と合わせ、持ち帰り時間の把握・管理を行うこと。

(3)学校現場における事務職の36協定締結の実態を把握し、労基法に基づく手続きを周知すること。

(4)労働安全衛生法の趣旨を徹底し、ストレスチェックの申告活用と産業医相談をいっそう推進するよう学校の労働安全衛生管理体制と機能強化をはかるとともに、実施するための予算措置を行うこと。

(5)学校の開庁・閉庁時刻を明確にし、留守番電話等を整備すること。保護者・地域への周知、並びに緊急時の連絡に支障がないように教育委員会事務局等への連絡方法を確立すること。

(6)超過勤務の是正、業務の軽減・削減等長時間労働是正にむけた学校現場における改善工夫を集約・還流させ、市町村教委と学校現場の協働による「働き方改革」を支援し必要な改善策をはかること。

(7)学校の働き方改革にかかわる施策等について、保護者・地域への周知を継続してはかること。

③『教職員の働き方改革と教育予算拡充』を求める日教組中央行動を実施

~日政連とともに「給特法改正案」の課題を明らかにし附則・付帯決議に反映させるよう尽力~

文科省は2020年度概算要求時において、定数改善4,235人増としましたが、自然減と配置見直しと相殺して総数は微減となっています。「働き方改革」「教育課題」に対応する専科・加配、スクールサポートスタッフ、部活指導員の増員要求を確実に担保させなければなりません。年末の予算案確定期にむけては、地方から中央に声を上げ、教育にかかわる様々な団体が意思統一し世論形成をしていくことが極めて重要であることから、10月9日(水)、地元選出議員はじめ各議員への「国会議員要請行動」を行い、日教組要請書を手渡しました。その後、参議院会館に日教組含む教育23団体が集合し、文科大臣はじめ与野党文教議員約90人同席のなかで「子どもたち一人ひとりに対するきめ細かな教育の実現と学校における働き方改革のための指導・運営体制の構築等を求めるアピール」を採択しました。

現在、第200回臨時国会において、給特法改正案(変形労働時間制・上限ガイドライン指針)の審議が行われています。日教組は長時間労働を是正し給特法抜本見直しに寄与するものとして、成立をさせます。

《機関紙No.507の詳細は、こちらからPDFファイルにて、ダウンロードできます。