大学入学共通テストにかかわる文部科学省への意見具申について

2019年10月4日

高知県教育委員会
教育長 伊藤博明  様

 高知教職員組合(日教組高知) 中央執行委員長 谷田憲一

大学入学共通テストにかかわる文部科学省への意見具申について

 日頃より、本県教育の発展にご尽力されていることに対して、敬意を表します。
さて、2020年度から大学入学共通テストの実施が予定されています。しかし、英語4技能評価への民間試験の活用について、民間試験の情報が随時変更されていることによって、高校生徒はもとより進路指導や教科指導にあたる学校現場は困惑しています。ご承知のように、全国高等学校長協会からは「延期及び見直し」を文部科学省に求める等、教育関係諸団体からも課題が示されています。また、記述式問題についも、 採点等にかかる課題が示されています。

<英語4技能評価における民間試験活用の課題>
・ 本来多言語を比較するためのCEFR対照表で、趣旨・目的の異なる英語の民間試験を比較していること。
・ 各大学等の英語4技能評価の活用方針が未定も含めて様々で、高校生等や関係者に混乱をもたらしていること。
・ 地域によって受検機会が不平等であるなど地域間格差が解消されていないこと。
・ 経済的困難者向けの検定料が未だに検討中であるなど経済格差等が解消されていないこと。
・ 具体的な実施日時・会場が示されないなかで、民間試験の予約申込等が行われていること。
・ 機器トラブル等が発生した際の再試験等の確実な実施が約束されていないこと。
・ 障害のある高校生等への合理的配慮が統一されていないこと。
・ 参加要件を満たした民間試験が撤退したこと。

<国語・数学記述式問題の課題>
・ 50万人の受験に対して20日間の採点期間で採点者1万人が必要とされるなかで、採点の公平・公正性、守秘義務等を担保する困難性があること。
・ 段階表示を点数化して加算する方針の大学があるなかで、自己採点の精度を上げる具体的方策が示されず、高校現場に負担と責任が押しつけられていること。
つきましては、大学入学者選抜は一定の共通性を確保し、簡便なものとする必要があること及び進路保障の観点から、拙速な実施を行わず、諸課題の解決に努めるよう、文部科学省に下記の申し入れをするよう要請いたします。

1.大学入学共通テストにおける英語4技能評価は行わず、従来の2技能の評価とすること。

2.大学入学共通テストにおける記述問題は実施しないこと。