速報 教員の長時間労働是正に1年単位の「変形労働時間制」を活用

~ 各自治体判断で2021年4月から導入が可能に ~

日教組の考え方

~ 業務縮減、定数改善をセットにして給特法の廃止・抜本見直しの方針は堅持 ~

1 「上限ガイドライン」は給特法限定4項目以外(自主的・自発的業務)が含まれ、課題はあるものの、指針化させて法的規制を先行させる。
2 給特法改正案(1年単位の変形労働時間制の導入)については、学校現場の長時間労働を放置せず、働き方改革を推進して長時間労働を是正していくうえで一定寄与するものであるという観点で、今国会で成立させる。
10/2の文科省回答で明らかにした課題、3年後実施する勤務実態調査結果を踏まえ必要な見直しをすることなど、必ず付帯決議・付帯規則をつけさせる。
3 導入にあたって確認事項
(1) 「まとめ取り」休日制度とすること。勤務時間の割り振られない日として1日単位で設定すること。
(2) 閑散期のない学校には導入できないこと。
(3) 教育行政の責任の下、業務を削減して閑散期を作り、少なくとも夏休み、冬休み、春休み等に「まとめ取り」休日を意図的に指定し確保すること。
(4) 「まとめ取り」休日の日数によって、勤務を延長できる日数が決まること。
(5) 「まとめ取り」休日に部活動等を行わせないこと(大会等の削減)
(6) 勤務時間を延長できるのは、学校行事等で業務量が特に多い時期に限定すること。
(7) 勤務を延長した日は、時間外勤務を行わせないこと。
(8) 勤務時間延長で、新たな業務を付加しないこと。
(9) 諸会議、研修等は通常勤務時間(7時間45分)内で終了させること。授業時間や部活動等の子どもたちの活動時間を延長しないこと。
(10) 特に業務が繁忙な期間(特定期間)における連続労働日数は「在校時間」で把握される土日・祝日に勤務した日も含めること。
(11) 対象者について、育児や介護を行う者・その他特別の配慮を要する者など個々の事情をふまえ決定すること。
(12) 労使協定を締結すること。
(13) ICT等による客観的時間管理、上限「指針」と部活ガイドラインの遵守。学校の開錠・施錠時間の設定。

文科省回答~10/2交渉
● 3年後に勤務実態調査を行い、教師に関する労働環境について給特法等の法制的な枠組みを含めて検討する。
● 勤務時間の変形制を導入することで、学期中業務が現在より長時間化することがあっては本末転倒。まずは業務の削減に総合的にとりくむことが必要。
●  勤務時間を延長した日に、その分、さらに「在校等時間」が延びることのないようにすべき。新たな業務の付加や授業時間・部活など児童生徒を伴う活動を今まで以上に行うために、正規時間を延長することがあってはならない。

10/9 「教職員の働き方改革と教育予算拡充を求める」日教組中央行動を実施
1 「子どもたちのゆたかな教育環境をつくる教職員定数改善と教育予算拡充」のための要請書
「学校の働き方改革・長時間労働是正」についての要請書 で 各地元選出衆参両議院議員に個別陳情
2 「子ども応援便り」発行に賛同する23団体が参議院会館に集合し「子どもたち一人ひとりに対するきめ細かな教育の実現と学校における働き方改革のための指導・運営体制の構築等を求める全国集会」を開催。萩生田文部科学大臣,与野党文教担当国会議員約90名同席のなか「党派を超えて教育予算を拡充し、一人ひとりの子どもたちのための教育環境・設備が充実するようともに尽力していただきたい。」と要請し、集会アピールを採択。

学校現場に変形労働時間制が導入される場合 教員の「働き方改革」になるのか

課業期間中  現在 例 出勤8:20 退勤16:50(7時間45分+休憩45分)
変形後例 退勤後1時間超過勤務で常勤化導入すると
退勤17:50(8時間45分+休憩60分 (労基法上8時間超える場合休憩60分)
月~金 週5日×4週 として 月20日基本
1学期(4~7月 2019年度ベース)  68日
2学期(9~12月  〃       )   78日
3学期(1~3月  〃        )   51日
● 1h×20日=20h   ※月上限ガイドラインには抵触しない。
1h×(68日+78日+51日)=計 197h  ※年上限ガイドラインに抵触しない。
休業期間中

夏季休業     (7/21~8/31 42日 週休 山の日 学校閉庁日除いて勤務日最大27日)

冬季休業     (12/26~1/7 年末年始特休除いて勤務日最大7日)

年度末休業   (3/25~3/31 勤務日最大7日)

学年始休業  (4/1~4/6   勤務日最大6日)   計 最大47日

課業期間中の超勤時間分を休業期間中の勤務時間分から差し引いて運用ができるのか?
●休業中勤務時間 7時間45分×最大勤務日計47日=364.25時間
●1時間超勤 364.25h-課業期間中超勤1時間分計197h=167.25h=21日30分
この分が「勤務を要しない時間」となり、休業中日数47日のうち25日7時間15分を勤務分として割り振ることになる。上限ガイドラインに抵触しないよう実施するとしたらこれが最大限度。
●計算上可能だが、年休・特休行使が圧迫されるうえに、課業期間中の個々の超勤分を補うことも併せると現実的ではない。「長期休業中に休みを」という配慮ならば、研修や補習、当番、学年会等と調整して年休・特休を取っている現行状況は定着している。
●休業中にこそ教職員が研修(校内研含む)、補習、生徒指導、学年会議、組織企画、備品整理管理、新学年準備等に奔走している実態が無視されている。休業中に「勤務を要しない日、時間帯」が設定されても、教員個々が出て来てサービス残業をせざるを得ない状況が放置される

※10/2文科省交渉での文科想定
学校行事など特に繁忙な 4,6,10,11月のうち計13週について、週3時間勤務時間増で、8月に5日間休日を設定。有給休暇と併せ「10日間の休日まとめ取り」を推進できると想定。
3h×13=39h  39h÷7時間45分=約5日分

中教審

●1年単位の変形労働時間制を導入することで、学期中の勤務が現在より長時間化し、かえって学期中一日一日の疲労が回復せずに蓄積し、教師の健康に深刻な影響をおよぼすことがあっては本末転倒である。
●1年単位の変形労働時間制は、勤務時間圧縮、縮減の切り札で何でもなく、かつての先生方の夏のいわゆるまとめ取りのような形で、社会的な理解を得て、長期休業中にまとまった休みを確保できる方策という観点から議論いただいた。(2018,12,6 特別部会議事)

問題

1 現状の長時間労働状態を追認し助長することになる。
7時間45分内での会議や研修が、定時が延びたことで遅い時間設定や長時間開催を招く。中学校部活指導も過重になる。現行7時間45分内での業務改善を推進していくことが先決。
2 超過勤務の実態が見えづらくなる危険がある。
課業期間中に勤務を特に長くしたから、これで時間外勤務が少なくなっただろうと錯覚させて超過勤務の実態が見えなくなる危険がある。業務改善の推進がやはり伴わないと危険。
3 育児・介護等の実情にある教員への配慮がなされずに、働きづらくなる。
4 管理職、事務職の勤務時間管理のための事務負担が増大する。
1ヶ月を超え1年以内の期間を平均して1週あたりの労働時間が40時間を超えない。
1日につき10時間まで、1週間につき52時間まで
対象期間が3カ月を超える場合は48時間を超える週は3カ月で3回まで
に基づいて、個々の勤務時間管理と指導、書類作成の負担が大きくなる。
5 労基法に基づいて、導入の手続きや運用上の解決など労使での書面での協定が必要である。
(※1~5 妹尾昌俊氏 中教審委員 教育研究家 学校業務改善アドバイザーの見解)

※自治体段階で導入されると厳正な勤務時間管理が進行するが,超過勤務の是正・持ち帰り含めた業務の軽減・削減と必要に応じた定数改善対策は「給特法改正付帯決議」に基づいて必須。