「公立学校の教職員の業務量の適切な管理その他教育職員の服務を監督する教育委員会が教育職員の健康及び福祉の確保を図るために講ずべき措置に関する指針」の実効化について(要請)

2020年1月29日

高知県教育委員会

教育長 伊藤 博明 様

 

高知教職員組合(日教組高知)

中央執行委員長 谷田憲一

「公立学校の教職員の業務量の適切な管理その他教育職員の服務を監督する教育委員会が教育職員の健康及び福祉の確保を図るために講ずべき措置に関する指針」の実効化について(要請)

貴職におかれましては、日頃より、本県教育の充実・発展にご尽力されていることに敬意を表します。

さて、1月17日、文科省は、第200回臨時国会における給特法の改正をうけ、「公立学校の教職員の業務量の適切な管理その他教育職員の服務を監督する教育委員会が教育職員の健康及び福祉の確保を図るために講ずべき措置に関する指針(以下 指針)」を告示し、各自治体に対して、4月1日の施行日より教員の業務の適切な管理を行うよう、条例や教育委員会規則等の整備を促しました。

文科大臣告示(指針)は、給特法「超勤4項目」該当以外の業務も含め教員が校務として学校教育に必要な業務を行っている時間を「在校等時間」とした上で、「時間外勤務時間」の上限を示し、服務監督権者に対し業務量の適切な管理を命じています。貴教育委員会においては、「改正給特法」及び告示された指針に基づき、本県における公立学校職員の勤務に関わる条例の改正及び教育委員会関係規則の制定、「在校等時間の上限に関する方針(以下 上限方針)」を策定され、法令にもとづいた「在校等時間」の縮減等、実効性のある「学校の働き方改革」が市町村、学校現場、地域・保護者一体となって、いっそう推進することをお願いいたします。

また、指針は、教員の適正な勤務時間管理に係る極めて重要な勤務条件の変更にあたることから、教育委員会規則及び上限方針について、以下、要請します。

1.通知された「改正給特法第7条」関連の告示にもとづき、「指針」の条例・関係規則等への反映に 以下の点を留意し、国会答弁及び附帯決議をふまえた策定をされるとともに実効性ある運用を行うこと。

(1)すべての公立学校にICT、タイムカード等の客観的な勤務時間管理システムを整備すること。

(2)「在校等時間」は、通常、出勤から退勤までの時間であり、「超勤4項目」以外の業務を行う時間も含め、学校教育活動に関する業務を行っている勤務時間とし、学校外で職務として行う研修や児童生徒の引率等の業務時間も含めること。土日、祝日、年末年始等の休日の業務時間を含めること。

(3)「在校等時間」の記録は、ICTやタイムカード等で客観的に管理した上で、公簿として適切に保管すること。なお、保管期間は、5年とし、下記の(ア)から(ウ)についても遵守すること。

(1) 公務災害などの場合の判定資料とすること。
(2) 常時、本人が確認できる環境を整備すること。
(3) 業務削減、業務の平準化・適正化にむけ、「衛生委員会」等において共有をはかること。

(4)教育委員会は、校長が「在校等時間」の虚偽記録を報告するようなことがないよう指導すること。

また、校長が法令、条例・規則などで定められた制度を逸脱した運用をした場合は、懲戒処分等の対象となり得ることを周知すること。

(5)「在校等時間」に含まれない「持ち帰り業務」について、上限時間を守るために「持ち帰り業務」が増加することがないよう、実態把握・記録に努めるとともに「持ち帰り業務」の縮減の取組をすすめること。

(6)教育委員会規則において「時間外勤務時間の上限時間」について、「1か月45時間、1年360時間」を明記すること。ただし、その上限時間まで時間外勤務を推奨するものでないことも明確にすること。

(7)「上限時間」として管理する時間外勤務時間は、①所定の勤務時間開始までの業務時間、②所定の勤務時間終了後の業務時間、③取得できなかった休憩時間を合算すること。週休日や祝日のいわゆる休日や代休日にやむを得ず行った時間についても、正規の勤務時間の内外に関わらず算定の対象とすること。その際、学校外での業務、部活動、教材研究、事務処理、採点業務、家庭訪問、関係機関・団体との打ち合わせ等、一切の業務が対象となること。

(8)児童・生徒等に係る「臨時的な特別な事情」による特例的な扱いについては、学校事故対応やいじめ、学級崩壊等の指導上の重大事案が発生し児童生徒等に深刻な影響を生じている、または生じるおそれのある場合などを明記し、これも上限時間や規制要件を明示して例外的かつ突発的な場合として限定すること。

(9)休憩時間や休日の確保等に関する労働基準法等の規定を遵守すること。

(10)業務終了から、翌日の業務開始までに、一定時間以上の継続した休息の時間を確保すること。

(11)上限時間を超えた場合は、業務分担や適正化等の必要な措置を講じること。労働安全衛生法の趣旨を徹底し、ストレスチェックの申告活用をいっそう推進して、時間外勤務時間」が80時間/月を超える教員については産業医への報告、医師との面談を実施すること。

(12)教育委員会は、教職員の勤務時間管理が適切にされるよう指導や周知をはかること。

また、各学校現場において、学校要覧の「服務規定」に明記するとともに、勤務実態をもとに長時間労働是正・業務縮減、行事精選等について協議し「働き方改革」を推進する体制づくりを促進させること。

(13) 教職員の長時間労働是正のための業務削減、必要な人員の配置等に努め、学校現場における改善工夫例を集約・還流させ、市町村教委と学校現場の協働による「働き方改革」を支援し必要な改善策をはかること。

(14) 長時間勤務の是正やメンタルヘルス不調等の健康障害等について、教職員が通報・相談できる窓口を県教育委員会内に設置するとともに、市区町村教委との役割分担を明確に示すこと。

(15)教職員をはじめ、保護者・県民、市民等への条例改正・規則等の制定を周知すること。

(16)学校現場における事務職の36協定締結について、労基法に基づく手続きを周知・促進すること。