速報 日教組は文科省に要請

2/27 子ども・教職員の健康と安全確保の措置を

3/2 子どもの居場所づくりと家庭への支援措置を

日教組は、政府、文科省による「新型ウイルス感染症」対策のための学校現場への要請および措置について、緊急に要請行動を行いました。

(1)子ども・教職員の健康と安全確保について

【日教組】
〇子ども・教職員の安全確保のために、衛生器材の確保は喫緊の課題である。国としての予算措置はもちろんであるが、現物が確保できない状況を考えると、現物支給という方法を文科省として探れないか。
【文科省】
〇衛生器材が全国的に不足している状況の中、学校現場に器材をどのように提供できるのか、ご指摘のように国として自治体と連携しながら学校に現物支給を含めた対応ができるかどうかについては、担当課に伝える。

(2)教育課程について
【日教組】
〇すでに臨時休校を決めた自治体が出ている状況を考えると、今後、授業時数確保のために、休日や学年末休業日における授業実施などが学校現場の声を聞かない中で実施されることも想定される。
【文科省】
〇2月25日発出の事務連絡で周知しているとおり、各学年の課程の修了又は卒業の認定等への弾力的な運用と進級・進学等に不利益にならないようにすること、大学等においても進学・就職等に不利益が生じないよう弾力的に対処することとしている。あわせて、流行性疾患による学級閉鎖等の不測の事態により学校教育法施行規則等に定める標準授業時数を踏まえて編成した教育課程の授業時数を下回った場合、下回ったことのみをもって学校教育法施行規則に反するものとはされないことという従来の考え方も明記している。
【日教組】
〇4月16日に実施される予定の全国学力調査について、臨時休校する学校があることや、今後の感染拡大が予想できない状況から、過去の震災の時のように、中止を含めた自治体による判断ができるという通知を出すことはできないか。
〇これまで、春休みの宿題や新学期が始まってからの授業時間等による事前対策を行っている自治体があることが現場から報告されている。今後の拡大状況によっては、新学期当初における学びの保障も重要である。そのような中で、4月16日に実施される全国学力調査にむけた現場へのプレッシャーが強くなることは避けなければならず、現場実態
に応じた自治体判断が重要ではないか。
【文科省】
〇今の段階では判断ができない。一方、状況に応じて判断はしていく。これまでにも、熊本地震の際には、自治体が判断して後日実施したこともある。また、インフルエンザによる学級閉鎖で後日実施している学校もある。一日経過するごとに状況が変わっていく現状を勘案すれば、学校が困らないように対応していきたい。
〇事前対策を行っている現場実態については、文科省は調査の趣旨・目的とはそぐわないことからこれまでも通知等を出して事前対策を行わないように求めてきている。

(3)すべての教職員の休暇への扱いについて
【日教組】
〇感染した場合、感染の疑いがある場合、濃厚接触者である場合等、教職員が休まなければならない際に、手当等に影響しないような特別休暇等により対応できるよう教育委員会に指導・助言をするべきではないか。
【文科省】
〇教職員の休暇等については、条例に基づき自治体が対応している状況ではある。2月25日付けの通知においても休暇や職務専念義務の免除等による対応を求めている。

(4)子どもの出席停止について
【日教組】
〇2月25日付けの通知文での子どもの出席停止について、この対象は感染があった地域に限られるのか。
【文科省】
〇児童・生徒の欠席への対応については、最終的に学校が判断することになる。一方、今後の感染拡大も想定されることから、発熱や咳などの風邪の症状がみられるときの休養については、出席停止・忌引き等の日数として記録を行うことができるとしている。

(5)学校の消毒作業について
【日教組】
〇学校の消毒作業については、当然専門家が行うべきであり、財政等により教職員が行うことがないよう、財政措置を含めた周知が必要ではないか。
【文科省】
〇あくまで自治体判断であるので、予算や対応する業者の関係でそのような実態があるのかもしれない。このような実態があることは、担当課に伝える。

日教組は、今後も「新型コロナウイルス感染症」の状況に応じ、文科省協議を継続していきます。


2020年2月27日

文部科学大臣
萩生田 光一 様

日本教職員組合
中央執行委員長 岡島 真砂樹

 「新型コロナウイルス感染症」にかかわる要請書

 日頃、教育の発展にご尽力されていることに対し敬意を表します。
さて、「新型コロナウイルス感染症」については、子ども・教職員等の感染が明らかとなり、感染拡大防止や安全確保が重要な課題となっています。
文科省は、「児童生徒等に新型コロナウイルス感染症が発生した場合の対応について」(事務連絡:2月18日、2月25日)及び「学校の卒業式・入学式等の開催に関する考え方について」(事務連絡:2月25日)等を発出し、都道府県・学校の設置者・学校への対応を求めているところです。
一方、集団生活を基本とする学校現場からは、様々な不安の声が寄せられており、学校教育の円滑な実施にむけた実効性ある施策が不可欠となっています。
つきましては、子ども・保護者・教職員等の安全確保の観点から、文科省として様々な施策を講じていただけるよう要請します。

1.子ども・教職員の健康と安全確保及び人権擁護について
(1)子どもたちが安心・安全に生活できる体制整備を行うとともに、健康維持と精神的ケアのできる具体策を講ずること。
(2)感染症対策として学校にマスク、アルコール、ゴム手袋等十分な衛生器材を臨時緊急的な予算措置・現物支給をすること。
(3)感染及び感染の疑いのある子ども・教職員への偏見や差別・誹謗中傷を防止するために、人権擁護の徹底を図ること。
(4)感染及び感染の疑いのある子ども・教職員への心のケアに十分な配慮を行うこと。

2.教育課程に関する柔軟な対応について
(1)「新型コロナウイルス感染症」ついては、「不測の事態」であり、臨時休校・出席停止措置等の対応を行った場合、年度末の時期であることから柔軟な教育課程の編成を可能とすること。
(2)全国学力・学習状況調査については、年度末・年度初めの学習状況や学校現場の現状を踏まえ、各自治体における判断により実施しないことを含め柔軟な対応ができるよう措置すること。

3.受検機会の確保について
(1)試験会場の対応については、衛生器材を国や自治体が措置するなど安心して受検できる環境整備を行うこと。
(2)追試験等の実施については、子どもの将来に関わる重要な機会であることから、各県における対応策を把握し、受検機会を確保するよう徹底すること。

4.すべての教職員に対しては、以下のことについて教育委員会に指導・助言すること。
(1)発熱や咳のある教職員については、予防措置として自宅待機など然るべき措置を講ずること。

(2)教職員が感染者の濃厚接触者に特定された場合については、自宅待機等の然るべき措置を講ずること。
(3)学校閉鎖時は、教職員に関しても自宅待機の措置を講ずること。
(4)教職員が自宅待機等する場合は、特別休暇の取得や職務専念義務の免除等の措置を講ずること。
(5)教職員が感染した場合は、不利益を生じさせない特別休暇等のもと療養を求めること。
(6)保育・介護施設等が臨時休業となり育児・介護のため出勤できない場合についても特別の配慮をすること。
(7)必要に応じて要員の確保等の措置を行うこと。


2020年3月2日

文部科学大臣
萩生田 光一 様

日本教職員組合
中央執行委員長 岡島 真砂樹

新型コロナウイルス感染症対策のための一斉臨時休業にかかわる要請書

日頃、教育の発展にご尽力されていることに対し敬意を表します。
さて、2月27日に開催された新型コロナウイルス感染症対策本部において、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校における全国一斉の臨時休業を要請する方針が決定されました。また、「新型コロナウイルス感染症対策のための小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校等における一斉の臨時休業」(事務次官通知、2月28日)が発出され、3月2日(月)から春季休業の開始日までの間、学校保健安全法第20条に基づく臨時休業が要請されたところです。
新型コロナウイルス感染症対策として、すべての学校を休業とすることで、子ども・教職員や保護者、地域の方々への感染を防ぐ効果が見込まれるものの、突然の表明に保護者や学校現場から、不安の声が上がっています。
つきましては、子ども・保護者・教職員等の不安を解消するため、子どもの居場所づくりや安全確保の観点から、文科省として関係省庁と連携し対応していただきたく下記について要請します。

1.子どもの居場所づくりや安全確保について
(1)学校保健安全法第20条に「学校の設置者は、感染症の予防上必要があるときは、臨時に、学校の全部または一部の休業を行うことができる」とされていることから、臨時休業の期間や形態等について教育委員会による判断を妨げないものとすること。
また、自治体における対応状況を十分に把握し、課題については支援を行うこと。
(2)放課後児童クラブ、保育所、幼稚園、認定こども園及び自治体の判断で子どもを受け入れる学校については、感染防止に資する環境改善のための予算措置と同時に現物の支給を行うこと。また、感染拡大防止の観点からの医療専門家の配置・連携を行うこと。
(3)自宅で過ごす子どもの健康と安全の確保に関する措置を講ずること。また、自宅で過ごすことが困難な子どもたちの居場所づくりとそのための環境整備を行うこと。
(4)特別支援学校等に在籍する子どもによるデイサービス利用希望が集中することが予想されることから、十分な施設を確保すること。
(5)臨時休業中に学校施設で起こった子どもの災害(負傷又は疾病)への対応のため、日本スポーツ振興センター災害共済給付制度の適用拡大を行うこと。

2.教育課程等について
(1)年度末休業日における授業実施や新年度の教育課程が過密になることがないよう今年度及び次年度についても柔軟な教育課程編成を可能とすること。
(2)高等学校等について、臨時休業により1単位あたり35単位時間を下回った場合についても、標準授業時数を下回った場合と同様に取り扱うこと。
(3)臨時休業中及び学年末休業日も含めて各種の大会・集会を中止するとともに、部活動を自粛すること。
(4)「卒業を迎える学年以外の児童生徒が授業を十分受けることができなかった場合には、必要に応じて、次年度に補充のための授業として前学年の未指導分の授業を行える」としていることから、4月に実施予定の全国学力・学習状況調査については、中止すること。

3.教職員等の処遇及び配置、業務について
(1)臨時・非常勤職員として勤務する特別支援教育支援員・非常勤講師・給食センター調理員・スクールバス運転手等について、臨時休業の影響を受けないよう賃金や処遇の保障を行うこと。
(2)教職員からの感染拡大を防ぐ観点から勤務について具体的に示すこと。
(3)すでに徴収した給食費や教材費等の返金等に関する業務については、学校の業務負担増とならないようにすること。
(4)学校施設等の消毒については、専門業者による作業とすること。
(5)本務外である放課後児童クラブ、放課後デイサービス等の業務について、職務命令等を行わないこと。
(6)自宅等において子どもだけで過ごす場合の安全確認等の業務に関し、教職員の不足が生じた場合は速やかに加配や学習指導員等の配置を行うこと。
(7)臨時休業に伴い、実施せざるを得なくなった家庭訪問等については、旅費等を支給する
こと。

4.家庭への支援について
(1)共働き家庭やひとり親家庭などをはじめ、病院・高齢者福祉施設などでの従事者等、保護者が仕事で家を離れざるを得ない世帯への支援を十分に行うこと。
(2)臨時休校により仕事を休まざるを得ない世帯、また非正規雇用などで収入が断たれる世帯への支援を休業補償等により十分に行うこと。
(3)ひとり親家庭や貧困家庭など、給食がなくなることによる影響を受ける世帯への食の支援を十分に行うこと。
(4)臨時休業に伴い中止となった学校行事・給食等により生じる保護者負担を全額補償すること。あわせて、中止措置に伴う損害についても責任を持って補償すること。