速報 3/13 公務員定年延長法案を閣議決定

― 公務労協は早期成立をめざし国会対策を強化する ―

政府は、13日の閣議で「国家公務員法等の一部を改正する法律案」及び「地方公務員法の一部を改正する法律案」について決定し、国会に提出しました。

公務労協は、今後、速やかな法律案の審議・採決と成立をめざして、国会対策に全力をあげていくとの談話を発表しました。

●国家公務員法等の一部を改正する法律案の概要

1 定年の段階的引上げ 現行60歳の定年を段階的に引き上げて65歳とする。

現行 令和4年度~5年度 令和6年度~7年度 令和8年度~9年度 令和10年度~11年度 令和12年度~【完成形】
定年 60歳 61歳 62歳 63歳 64歳 65歳

<定年年齢の段階的移行>
・昭和37(1962)年4月2日から昭和38(1963)年4月1日生まれの人が61歳、
・昭和38(1963)年4月2日から昭和39(1964)年4月1日生まれの人が62歳、
・昭和39(1964)年4月2日から昭和40(1965)年4月1日生まれの人が63歳、
・昭和40(1965)年4月2日から昭和41(1966)年4月1日生まれの人が64歳、
・昭和41(1966)年4月2日以降生まれの人は65歳に。

2 役職定年制の導入

① 組織活力を維持するため、管理監督職の職員は、60歳(事務次官等は62歳)の誕生日から同日以後の最初の4月1日までの間に、管理監督職以外の官職に異動させる。

② 役職定年による異動により公務の運営に著しい支障が生ずる場合に限り、引き続き管理監督職として勤務させることができる特例を設ける。

3 60歳に達した職員の給与

2人事院の「意見の申出」に基づき、当分の間、職員の俸給月額は、職員が60歳に達した日後の最初の4月1日(特定日)以後、その者に適用される俸給表の職務の級及び号俸に応じた額に7割を乗じて得た額とする。

(役職定年により降任、降給を伴う異動をした職員の俸給月額は、異動前の俸給月額の7割水準)

4 高齢期における多様な職業生活設計の支援

① 60歳以後定年前に退職した者の退職手当

60歳に達した日以後に、定年前の退職を選択した職員が不利にならないよう、当分の間、「定年」を理由とする退職と同様に退職手当を算定する。

② 定年前再任用短時間勤務制の導入

60歳に達した日以後定年前に退職した職員を、本人の希望により、短時間勤務の官職に採用(任期は65歳まで)することができる制度を設ける。

・施行日:令和4年4月1日


●地方公務員法の一部を改正する法律案の概要

令和4年度からの国家公務員の定年引上げ(令和2年通常国会に法案提出予定)に伴い、地方公務員の定年も60歳から65歳まで2年に1歳ずつ段階的に引き上げられることを踏まえ、地方公務員についても国家公務員と同様に以下の措置を講ずる。

1 役職定年制(管理監督職勤務上限年齢制)の導入

○ 組織の新陳代謝を確保し、組織活力を維持するため、役職定年制(管理監督職勤務上限年齢制)を導入する。

・役職定年の対象範囲及び役職定年年齢は、国家公務員との権衡を考慮した上で、条例で定める。

※ 役職定年の対象範囲は管理職手当の支給対象となっている職を、役職定年年齢は60歳を基本とする。

※ 職員の年齢別構成等の特別の事情がある場合には例外措置を講ずることができる。

2 定年前再任用短時間勤務制の導入

○ 60歳に達した日以後定年前に退職した職員について、本人の希望により、短時間勤務の職に採用(任期は65歳まで)することができる制度を導入する。

3 情報提供・意思確認制度の新設

○ 任命権者は、当分の間、職員が60歳に達する日の前年度に、60歳以後の任用、給与、退職手当に関する情報を提供するものとし、職員の60歳以後の勤務の意思を確認するよう努めるものとする。

4 給与に関する措置

○ 国家公務員の給与及び退職手当について以下の措置が講じられることを踏まえ、地方公務員についても、均衡の原則(地方公務員法第24条)に基づき、条例において必要な措置を講ずるよう要請する。

・当分の間、60歳を超える職員の給料月額は、60歳前の7割水準に設定する。

・60歳に達した日以後に、定年前の退職を選択した職員が不利にならないよう、当分の間、「定年」を理由とする退職と同様に退職手当を算定する。

【施行期日】令和4年4月1日


2020年3月13日

定年の引上げに関する公務員法等の一部を改正する法律案の閣議決定に対する談話

公務公共サービス労働組合協議会事務局長 吉 澤 伸 夫

政府は、3月13日、公務員の定年を段階的に65歳に引き上げるための「国家公務員法等の一部を改正する法律案」及び「地方公務員法の一部を改正する法律案」を閣議決定し、同日、国会に提出した。なお、法律案の提出理由について「平均寿命の伸長や少子高齢化の進展を踏まえ、知識、技術、経験等が豊富な高齢期の職員を最大限に活用する」としている。

翻って、2013年4月からの被用者年金の報酬比例部分の支給開始年齢の繰り上げに伴い、これまで措置されてきた再任用において、厳しい定員の削減・抑制により職員の希望に添えない実態が深刻化する状況のもと、少なくとも2011年9月30日に行われた人事院の「定年を段階的に65歳に引き上げるための国家公務員法等の改正についての意見の申出」以前から、長年にわたり公務労協が求めてきた雇用と年金の確実な接続をはかるための措置となる。(中略)

自民党内における法案審査の過程で、定年の引上げと60 歳超職員の給与水準等への公務員厚遇等の批判を背景とした行政改革推進本部等からの指摘を踏まえ、法律案の附則・検討条項において「政府は、国家公務員の給与水準が、定年の前後で連続的なものとなるよう、国家公務員の給与制度について、人事院においてこの法律の公布後速やかに行われる昇任及び昇格の基準、昇給の基準、俸給表に定める俸給月額その他の事項についての検討の状況を踏まえ、令和12 年3 月31 日までに所要の措置を順次講ずるものとする」とされたことは遺憾である。

なお、この附則・検討条項の今後の取扱い等については、3 月12 日に実施した内閣人事局人事政策統括官交渉及び人事院給与局長交渉において見解を明らかにさせた「政府・国会からの如何なる圧力も排除した人事院の主体的・独立した検討・対応として、公務員連絡会との交渉・協議による」ものであることは指摘するまでもない。

また、内閣人事局人事政策統括官交渉においては、第4 回公務労協運営委員会(2020 年2月20 日)において決定した「定年引上げに関する最低目標」である、①60 歳超の職員の給与については、人事院の「意見の申出」のとおりとすること、②退職手当の取扱いについては、減額がないものとすること、③地方出先機関等の管理職への役職定年制の適用については、定年引上げ年齢までの雇用・任用の継続・確保をはかること、④定員の取扱いについては、必要な新規採用の継続と職員の希望に基づく暫定再任用に配慮し、実態に基づく弾力的な対応をはかることが、法律案等に措置されていることを明確化させている

ときに、第201 通常国会において検察官の勤務延長(定年延長)問題が議論されている。

「国家公務員法等の一部を改正する法律案」は束ね法案として、検察官の定年を段階的に引き上げるための「検察庁法の一部改正」を含んでいるが、個別の人事問題及び「定年による退職の特例」の現行の解釈と、一般の検察官を含めた公務員の定年の引上げを混同すべきではない。

第201 通常国会は、6 月17 日までの残す会期が96 日となるが、与野党に対して、引き続き、新型コロナウィルス対策という国民生活における喫緊かつ最重要な課題への建設的な対応を求める。

(中略)

そして、2021 年10 月までには行われる衆議院議員総選挙を控え与野党の対立が深まっていく政治情勢のもと、公務員の定年引上げに関する法律措置は、今国会が最後の機会という立場から、少子高齢化・労働力人口の減少における官民を問わない必要不可欠な社会政策という観点から理解と支援を得ている連合の協力のもと、速やかな法律案の審議・採決と成立をめざし国会対策に全力をあげることとする。