速報 公務員定年延長法案は次期国会で審議

6/17黒川検事長定年延長問題で今国会廃案に

第201通常国会の最終日となった6月17日、各委員会において閉会処理が行われ、衆議院内閣委員会では、審議が継続されていた「国家公務員法等の一部を改正する法律案」について、閉会中審査(継続審議)案件として議決しなかったことから、同法案は、会期不継続の原則のもと、廃案となりました。

内閣の判断で検察幹部の定年を延長できるという特例規定を設け、法解釈を恣意的に変更し閣議決定までした「東京高検検事長の定年延長」問題について、今国会での野党追及と検察OBや著名人をはじめとする批判世論の高まりによって、安部首相はこの規定を削除せざるを得ない政局へと追い込まれたことになります。

しかし、2022年度から2年ごとに1歳ずつ引き上げ、30年度に65歳定年とする一般公務員の定年延長を含む「束ね法案」として提出されていたため、こちらの法案も審議扱いとならず、「国家公務員の定年引上げに伴う地方公務員法改正案」は次期国会・秋の臨時国会へ継続審議となりました。

なお、これに際し公務労協は、次のとおり事務局長談話を発出しました。

2020年6月17日

「国家公務員法等の一部を改正する法律案」の廃案に対する談話

公務公共サービス労働組合協議会

事務局長 吉 澤 伸 夫

政府・与党は、6月17日に閉会を迎えた第201通常国会の会期末処理にあたり、与党の事前審査を踏まえ政府自らが提出した「国家公務員法等の一部を改正する法律案」を廃案とした。これは、5月18日の法案審議・採決見送り決定以降、定年引上げを再検討する安倍総理等の発言がなされた一方、5月26日の与党幹事長・国対委員長会談における継続審議方針の再確認、翌27日の衆議院内閣委員会における「法案を成立させたい」とする菅官房長官答弁等、政府・与党内において取扱いが確定しない状況で推移してきたもとで、官邸と与党国会対策委員会における最終的な政治判断として廃案とされたのである。

本来であれば今通常国会において、新型コロナウィルスの感染拡大が民間労働者の雇用や賃金に及ぼしている客観的事実をも踏まえ、①少子高齢化・人口減少社会において官民を問わず高年齢者の活躍が必要であること、②民間においては、高年齢者雇用推進法の改正により70歳までの就業機会の確保がはかられること、③雇用と年金の確実な接続について、民間の再雇用制度と公務員の再任用制度との間で、紛争時における勤務関係の法的性質と実態における適用状況に相違があること等、公務員の定年引上げの是非を堂々と国会において議論すべきであったところ、廃案は極めて残念である。

ところで、廃案については、黒川前東京高検検事長の勤務延長や不祥事問題に対する厳しい世論の批判を踏まえた結果であるという指摘がある。一方、与党内においては、国の職員の定年を基準としている「地方公務員法の一部を改正する法律案」が会期末処理において継続審議とされたことが示しているとおり、公務員全体の定年引上げを実現するためになされた最善の措置という議論もある。

なお、公務員の定年引上げが、はじめて政府において公式な検討が表明されたのは2007年4月の第一次安倍政権における閣議決定であり、これを決着する責任は誰より安倍総理にあることを改めて強調する。

公務労協は、引き続き、今秋の臨時国会における公務員の定年の引上げを課題実現の最終の機会として、早期の国家公務員法改正案の再提出を求め、対政府交渉及び国会対策に全力をあげることとする。