前谷田執行委員長から引き継ぎ、この4月から、執行委員長として書記局に入ることとなりました。何をするにも初めてで、パソコンの画面とにらめっこをする毎日が続いています。そんなとき、ふと窓の外を見ると、青い空と、盛りを迎えた桜の木々が織りなす美しい景色が目に飛び込んできます。「春だなぁ。」と一息ついて、またパソコンに向かいます。
「春」の語源には、いくつかの説があるようです。調べてみると、
① 草木の芽が「張る(はる)」から ② 田畑を「墾る(はる)」から ③ 気候の「晴る(はる)」が転じて |
の3つの説が有力のようです。ちなみに、英語の「spring」には「春」だけでなく「跳ねる」や「泉」という意味があり、古来から「春」という季節がエネルギーに満ち溢れ、動き始める季節だったということがよくわかります。
さて、4月7日に始業式・入学式を迎え、先生方には児童生徒との新しい出会いがあったことと思います。期待に胸を膨らませた子どもだけではなく、新しい環境に不安を抱いていた子どももいたのではないでしょうか。さまざまな背景や思いをもった子どもたちを前に「めいっぱい頑張ろう!」と、笑顔で子どもたちと向き合っているみなさんの姿が浮かびます。
しかし、職員室に戻ると、ノートの添削や教材づくりに加え、提出文書や会議資料の作成など、息をつく間もなく仕事に追われます。そのようななか、新規採用者や一人職種の先生方(栄養教諭・養護教諭・事務職員等)が、職員室で置き去りにされてしまってはいないでしょうか。
私たちはこれまで、児童生徒理解から一人ひとりの人権を大切にした教育の実践を進めてきました。子どもたちの人権を大切にするためには、職員室におけるみなさんの人権が大切にされなければなりません。日頃の何気ないコミュニケーションがつながりを生み、なかま意識を高めていきます。「困ってない?」「いっしょにやろう!」という声を気軽にかけられる関係が大切です。「困ったときはお互いさま!」というあたたかい雰囲気は、自然と子どもたちにも伝わっていくと思います。
このような職場でのつながりを、組合運動をともに進めていくなかまへと広げていきましょう。人権・平和・労働のそれぞれの教育視点での実践と組合運動を、1年間ともにがんばっていきましょう。
高知教職員組合(日教組高知)執行委員長 髙石 昌諭
2022「スタートダッシュ講座」開催!
やる気にあふれる学級 正義は多数決で決まる!
4・5月期は聴き合う関係づくり!
今年度の新規採用者・臨時講師・若年次等の教員を対象として『2022スタートダッシュ講座』を開催しました。
学習会① では、福田さん(高知市教組)を講師に招き、「自治的で共感的な学級をつくる」と題して,ワークショップを中心とした講演をしていただきました。一体感をつくる集団遊びをとおして、友だちの家庭や生活が見え、互いに親近感を覚えるなかで、少しずつつながっていく子どもたち。班と学級総会の活動を活かし、教師が意図的に分断と連帯を経験させることによって、子どもたちのやる気に満ち溢れた、正義の通る学級へと高めていくための手法や、その根底にある考え方について熱く話していただきました。
学習会② では、講師の横田さん(はまゆう教育相談所所長)から、「学級づくりの基本~先生と子ども同士をつなぐ技~」と題してご講演いただきました。先生と子ども・子ども同士がつながることの大切さ、つながるための教師の心のもち方、子どもたちの自尊感情を育て、対人関係スキルを鍛えるプログラム等について、聴き合うエクササイズをとおして教えていただきました。1年間をとおして学級集団の質を高めていくといった理論や手法は、福田さんの講演とも重なる部分が多く、参加者は真剣な目で話を聞いていました。 残念ながら、講演時間が短かかったため「もっと学びたかった」という声が聞こえてきました。講師のお二人からも「若い先生方にもっと伝えたいことがあった」と、今回に続く学習会の開催を希望する声がありました。組合員のみなさんの要望があれば、今年度は「レッツ・スキルアップ講座」にも位置付け、『2学期からの学級経営』といったテーマで再び講座を開催することも可能です。現場から声を上げて、ともに学んでいきましょう。ぜひ、8月に開催されます「教研」にも積極的にご参加ください!レポーターも募集中です。
〔参加者の感想〕 ・班長の動かし方、学級の動かし方を学べました。低学年だけでなく、中・高学年も担任してみた いと思いました。 ・1年生の担任で不安なことが多かったですが、明日から使えることをたくさん知ることができて よかったです。 ・学級づくりに不安がありましたが、やる気満々になりました!月曜から実践していきます! |
2022『採用をめざす会』【一次対策連続講座】
日時:4/17(日)、5/8(日)〔教職教養〕 5/15(日)、5/29(日)〔一般教養・高知県対策〕
講座:13:30~16:30 受付:13:00~
講師:TAC株式会社 ※リモートによる講座となります。資料のみの配布は行っていません。
場所:県民文化ホール 第3多目的室(5/8のみ第8多目的室になります。)
※駐車場はありませんので、なるべく公共交通機関をご利用ください。
〇講座の受講には事前の申し込み〈〆切→各回とも2日前まで〉と、高知教職員組合(日教組高知)「臨時教職員部」への加入が必要です!加入については、当日会場にて受け付けます。年会費1000円です。加入すると、今後開催予定の二次対策講座やその他の学習会にすべて無料で参加いただけます。
※加入申し込みは、こちらからご連絡いただけます。
TEL・FAX・HPからも申込できます。申込みのフォームは、こちらから。
〇新型コロナウイルス感染症の状況によって、中止の場合があります。 その場合は、こちらからご連絡いたします。
日教組高知のとりくみ&日程
○ 2022年度 「採用をめざす会」【一次対策】①教職教養 ※チラシを同封しています。
4/17(日) 13:30~16:30〈県民文化ホール 第3多目的室〉
- 連合高知第93回メーデー・児童養護施設訪問(図書カード寄贈&バルーンアート交流)
4/29(金) 10:00~〈城西公園〉・13:00~(県内児童養護施設へ)
○ 2022年度 「採用をめざす会」【一次対策】②教職教養
5/8(日) 13:30~16:30〈県民文化ホール 第8多目的室〉
○ 2022年度 「採用をめざす会」【一次対策】③・④一般教養 + 高知県の傾向と対策
5/15(日)・29(日) 13:30~16:30〈県民文化ホール 第3多目的室〉
○ 2022スポフェス(ボーリング大会)
6/25(土) 14:00~16:30〈ボウルかつらしま〉※景品もあります!
○ 「日教組高知 第2回執行委員会」&「市教組 第2回執行委員・運協委員合同会議」
7/30(土) 10:00~12:00 〈高知会館4Fやまもも〉
○ 2022年度 「採用をめざす会」【二次対策】(※模擬授業・面接)
7/31(日) 13:30~16:30 〈第六小学校〉
○ 「2022教育研究集会」【教研】
8/27(土) 13:00~17:00〈高知会館〉
○ 8~9月予定 青年部「2022夏の学習会」
○ 12月初旬予定 青年部「ヒロシマ平和学習」
○ 12月下旬 日教組幡多「ランアラウンド幡多」(ランハタ)
※ 「レッツ・スキルアップ講座」では、タブレット活用講座・人権・同和教育講座を連続講座として開催予定です。その他の教科等の講座も随時開催します。女性部・養護教員部・事務職員部等の学習会等についても、日程・内容が決定次第、その都度、機関紙やHPでお知らせします。ぜひご参加ください。
ウクライナの子どもたちへ カンパをお願いします
2月24日に開始されたロシアによるウクライナへの軍事侵攻により、子どもを含む多くの市民が犠牲となっています。ウクライナでは、住居や施設が破壊され、日々、多くの命が奪われています。また、難民となって隣国に避難した子どもたちにも、生活や教育の支援が必要です。日教組では、教育インターナショナルを通じて、ウクライナの子ども・教育支援のための緊急カンパを行います。そこで、児童養護施設へのカンパに引き続いて各学校の教職員の方々や友好団体にカンパをお願いすることとなりました。皆様方にはご負担をおかけし心苦しいばかりでございますが、どうぞよろしくご理解ご協力をお願い申し上げます。カンパ袋を同封していますので、この活動に賛同いただける方々は、どうぞご協力をよろしくお願いします!!
免許更新廃止後の研修について国会審議開始
日教組委員長が衆議院委員会で意見陳述
教特法・免許法改正案は12日衆議院本会議で採決 参議院へ
4月1日、衆議院文部科学委員会において、「教育公務員特例法及び教育職員免許法の一部を改正する法律案」について、瀧本 司 日教組委員長が参考人として意見を述べました。
日教組はこの間、教育職員免許法について免許更新制の廃止を求め、国会対策・文科省協議を続けてきた結果、事実上の廃止につながりました。今後は、教育公務員特例法について日政連議員団と連携して国会対策・文科省協議を強化していきます。
【委員長発言要旨】
●教員免許更新制の発展的解消は歓迎する。
現場では、10年に1度とはいえ、時間を割いて、さらに金銭的負担もあることから、早急な廃止を求める声が大きかった。制度的になくなることは歓迎する。
●校内研修、職専免研修、自主研修も記録の対象とすべき。
教員が自主的に研修を行うことを求めている教育公務員特例法に基づいて、学校現場の研修、校外研修、校内研修、あわせて自己研修も行っている。明日の授業をどうするか、子どもに「わかったよ」と、うなずいてもらうため、といのうが自己研修である。
今回の改正の22条5。いわゆる研修履歴の記録を規定している。22条5の第2項のあとに、4つに渡ってどういう記録をするのか、というのが明記されている。教特法に記載されている研修を記録しろというのが一から三まで。四として、当該任命権者が必要と認めるものというのが記載されている。当該任命権者が必要と認めるもの、これがどういうものが対象となるのか明らかにして頂きたい。
職専免研修、自主研修というのがある。職専免研修というのは、勤務時間中に行われる研修であるから、職務専念義務を免除するということであり、自主研修は、同じ研究団体が行ったとしても、勤務時間ではないから、職専免研修にはならない。いわゆる自主研修にまとめられる。そういった研修もぜひ認めていただきたい。
22条6項を見ると、指導助言することになっている。指導助言がどうなのかということで2016年の第192回臨時国会において、当時、松野文科大臣は、育成指標と人事評価とは、目的も趣旨も異なると述べておられる。
各県でどんな人事評価、どんな項目で行われているか確認させて頂いている。どの都道府県も、備考として、どんな研修を受けたかを記載する県もないわけではないが、研修を受けること自体が評価の対象にはなっていない。人事評価というのは、1年の中で、その教員がどれだけの能力を発揮できたか、それを評価するものであると思う。一方で、研修というのは何を自分で学ぼうとしたか、それを記録するものなので、まさしく、今回の受講記録を記載したとしても目的は違う。そういった意味で、履歴を残すことと、評価は、改めて趣旨が違うことを明確にしたい。
●教員の意欲・主体性を前提に、十分に意向を汲みとることが重要。
資質向上に対する指導助言について、中教審の審議のまとめで、積極的に対話をするように求めている。こういう研修があるから受けてみたらどうだろうか、と、お話いただくことは当然あると思う。教員の側からも当然、こういう研修に取り組んでみたい、受けてみたいと調べることもある。そういった意味で、単に、「この研修を受けなければならない」ではなく、積極的なアドバイスを頂くような対話を心がけて頂くことが必要である。
●研修機会確保には、定数改善、業務削減、給特法の抜本的改善が必要。
研修を受ける余裕があるのかについて、昨年12月にも文科省は、働き方改革の進捗状況について公表している。45時間以内の時間外勤務の割合は若干減ったが、大方の傾向は変わらない。まだまだ、45時間以上80時間ぐらい時間外勤務を行っている中で、勤務時間内でいくと、校内研修は実質15分しかとられていない。校外研修、これは公務としてやることだが13分。11時間の長時間労働をしていても、研修で費やせる時間はこれしかない。この中で、新たに学び続けるのは可能なのか。先生たちが自分たちで研修したい、学びたいという、余裕をつくってもらいたい。研修の側面からも、どんな制度を作っても、時間の余裕がないのは致命的であり、検討して頂きたい。 昨年12月、教師不足の調査が出た。4月、5月の調査であるが、慢性的に人手不足であり、教頭先生に対応頂くなどでどうにかやっている現状である。是非とも、今回、法改正と合わせて、定数改善、業務の削減、給特法の抜本的改善にとりくんで頂きたい。